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秘境へようこそ

食文化への興味と暮らし

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食べ物に関するウィキペディア記事を読むのが好きだ。ウィキを読んでいると、関連ワードのリンクに次々飛んでいって、読んで、気付くと小一時間経っていた、ということは誰しも経験があるのではないだろうか。食べ物関連の記事は特にその現象が顕著である。例えば「ポトフ」について調べたとする。ポトフはフランスの家庭料理だということが紹介されているが、ドイツ版では「アイントプフ」という名の類似料理が存在する。アイントプフはごく簡素な料理であり、WW2当時にはナチスが「アイントプフの日曜日」云々というキャンペーンを展開し、節制を推奨していたそうだ。そこからまた今度は「ジャガイモ」の記事に飛ぶと、ジャガイモがヨーロッパに伝来してすぐの頃は、見た目が醜いということで「悪魔の食べ物」扱いされたが、ドイツに代表されるような痩せた土地においては、そういう土壌でも栽培できる救世主的な食物として扱われたことなどが書かれている。ひと昔前のドイツではジャガイモでフルコースを作ることができなければお嫁にいくことが出来なかったとかなんとか。

 

他にもイギリスとアイスランドの間でタラを巡った小競り合い、名前もまんまの「タラ戦争」が起きたことや、中国料理の分類で、広東の人々は飛ぶものは飛行機以外、脚のあるものは椅子以外何でも食べるだとか、各国の文化を色濃く反映した「食」の記事は見ていて面白い。映画や小説、漫画においても食事の描写があるものはお気に入りのものが多かったりする。

 

しかし自分自身が殊更グルメかというとそうではないし、むしろどちらかというとバカ舌の部類である。大抵のものは美味い。休日に新しいお店を開拓、なんてことも滅多にやらない。先述したウィキ記事巡りをするときも大体コンビニ弁当を食べながらである。食そのものより、それにまつわる蘊蓄話が好きなのだろうと思う。

 

こないだ、テレビ番組でシードル特集をやっており、シードルをはじめとして、フランスはブルターニュの様々な食文化が紹介されていた。よくできた番組だった。映像は綺麗だし、三浦春馬が格好いい。カキだとかロブスターだとかガレットだとかがフランスの素晴らしい街並みと共に次々と紹介されていき、「ほーん」とか言いながら酒は一丁前にカルヴァドスを飲みながら、肝心の飯はコンビニのナポリタンを食べながら観ていた。ナポリタンも日本の所謂「洋食」文化を代表する料理であり、全くもってオシャレな料理ではないが、ナポリタン誕生までの逸話なんかは結構面白い。ナポリタンこそ蘊蓄料理かもしれない。麺はいったん茹でて冷蔵庫で放置してブヨブヨになったものが良い、ナポリタンにアルデンテなどあってはならない、具材はピーマン、タマネギ、ケチャップ、たまにウインナー。決して高級店ででてくることはないし、鄙びた昭和喫茶で出てくるイメージ。そういうチープな背景を持った料理だから、映画『探偵はBarにいる』での「喫茶モンデ」のナポリタンはあんなにも説得力があるのである。

 

とはいえ、モテモテボーイになるためには、小粋なスペインバルなどを開拓する必要があるのかもしれない。ガレットに興味はあるが、西宮の店しか知らないし、大抵ガレットというのは量の割に異常に高い。なら大正義セブンイレブンの大盛りペペロンチーノで良いではないか、とも思ってしまう。

 

理想はやっぱりしっかり自炊することなんだろう。先日日経か何かのWEB記事で、東京にて僅か3畳一間の物件に住む若者が特集されていた。「狭い部屋が人気、などと言ってはいるが実際これは若者の貧困問題だろう」とかいう意見もあったが、個人的には中々面白そうだと思った。実際にはそれだけ狭いと不便な部分ばかりだろうし、色々とストレスもあるのだろうが、記事に紹介されていた部屋の写真を見るだけでも、住んでいる人の工夫がありありと分かり、なんというかこう、良い意味での生活感が滲んでいた。キッチンも例にもれず激セマだったが、そこでしっかり自炊をしていて、感銘を受けたのだ。

 

ああ、これが「くらす」ということなんだな、と。食事は衣食住の一角を占めており、言うまでもなく人生において大切な要素のひとつである。自炊は健康にも家計にも優しい。デメリットは手間がかかることくらいだろう。しかしながら、一人暮らし歴6年目に突入しようとしているにも関わらず、床に毛布を敷き、コンビニ弁当を食いながらウィキを鬱々と読んでいるようではもう自炊の習慣を身に着けることは不可能かもしれない。しかも、第三勢力としてのUber Eatsが着実に我が身に侵攻してきている。夏に札幌で食べた激うまスープカレーに思いを馳せ、2000円以上を払ってUberでスープカレーを注文したら物凄く不味かった。自炊しろ、バカ者が。

 

自炊するにも、なにぶん経験がないもので、食材を買おうとするときは大抵、躁状態で大層な料理を作ろうと息巻いている場合が多いので、食材費がとても高くつく。1回しか使わないのに青森産のにんにくだとか、ちょっと高めのオリーブオイルだとかを買ってしまう。いや、これは経験の無さにしてはいけないな。ただ己の愚かさ故である。

 

また別で記事するかもしれないが、近々大きな出費がありそうなので、今後の身の振り方を考え直す必要がある。そのために食費は大きく削減できるはずの項目なので、今度こそ自炊の習慣を身に着けたい。数少ないながらも、失敗を活かす意味で、まずは「何を作りたい」という思考を止める必要がありそうだ。「いくらまでで、何日分」という大枠を設定してから出ないと、自炊の大きなメリットである安さが全く持って享受できない。戦術より戦略が先なのは料理でも同じだ。カレーを作るのにわざわざS&Bの容器入りスパイスを買う必要などないのだ。ゴールデンカレーのルーひとつでいいのである。

 

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