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モンスターハンター2(dos)というゲームの思い出

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まだ幼稚園か小学校にあがりたてくらいの頃の正月、父親が俺と姉のお年玉を徴収してPS2を買うというとっても大人げないことをやった。

 

実家には初代PSもあったし、プレイステーションで育ったようなものだった。忘れもしない2004年、DSを買ってくれと懇願したが母親から跳ね除けられた。以来俺は任天堂が大嫌いだ。

 

「これ以上視力を落とすつもりか」と散々に怒られた。母親の中では、俺の視力が落ちたのはゲームのせいだということになっていた。

 

母親に首根っこを掴まれて連れていかれた眼科の先生は、「まぁ、視力の問題の8割は遺伝によるものですから」と言っていた。あれ?俺悪くなくない?

 

そんなこんなでDSは買ってもらえず、長いことPS2で遊んだ。2006年にPS3が登場したが、当時は法外な価格設定だったのでPS3を買ってもらったのは中学生になってから(2010年くらい)だった。

 

色んなゲームをやった。ガンダムVSシリーズ、ラチェクラ、DMC、NFS、ACE、戦国basara、などなど。

 

その中でも今回はモンスターハンター2(dos)(以下、「MH2」で表記)についてとりあげることにする。

 

MH2を買ったのは確か小学5年生の正月だった。中古価格で2500円とかだった覚えがある。

 

当時モンハンというコンテンツは今ほどメジャーではなかった。まだMHP2ndGはおろか、MHP2ndも発売されていなかったはずだ。

 

MH2を買った動機も「大人気のシリーズだ!欲しい!」というよりは「あーなんかたまに聞くゲームだな、これが最新らしいし買ってみるか」という感じだった。

 

えー、ここから悪夢が始まることになる。

 

まずMH2というのはシリーズの中でもかなりの問題作である。太刀、ガンランス、弓などの新武器種の導入など、後作に遺したものも大きかったが、いかんせんゲームバランスがものすごく悪い。

 

しかも俺が買ったのは据え置き専用のMH2であり、MHP2ndではないのだ。”ポータブル”のPがないのだ。つまり気軽に持ち運んで友達と協力、ということができない。当時はまだゲーム機を回線に繋いでオンラインプレイするのは一般的でなかったし、やるにしても専用のルーターみたいなのをレンタルする必要があった。ゲーム嫌いの親がそんなものをレンタルさせてくれる可能性など塵ほどもない。

 

小学生のクソガキ一人でMH2という超絶不親切な世界を切り開かなければならなかった。

 

まず回復薬が売っていないのだ。字体を太くしてもう一度言いたい。

 

回復薬が売っていないのだ。

 

回復薬て。お前、回復薬やぞ。ポータブルシリーズでは雑貨屋にさも当然といった顔で陳列されている回復薬が売っていないのだァ!MH2ではリオレイアとかいう結構強めのモンスターを倒してからでないと回復薬が売られないのだ。つまり、一番厳しい序盤を回復薬の調達が困難な状況で立ち回らなければならない

 

じゃあどうするのかというと、回復薬を材料から揃えなければならない。優しいお父さんお母さんからPSPと超絶大人気ソフト「MHP2ndG」を買ってもらった同級生達が、雑貨屋で簡単に回復薬をサッと購入して皆で狩りに出かける中、俺はひとりでフィールドに出向き、太陽草とかいう訳の分からん草と、アオキノコとかいう陰気なキノコを拾い集めなければならなかった。めちゃめちゃ寂しい。しかしこの回復薬調達を怠ってしまってはモンスターと戦うことなど到底できないのである。

 

そう、俺はPSPなぞ買ってもらえなかった。皆が2ndGの世界の中、ほのぼのしたBGMが流れるポッケ村、賑やかな集会場で集まって、回復薬を懐に忍ばせて狩りにいくのがものすごく羨ましかった。彼らは複数人でもってモンスターと戦えるわけだから当然ゲームの進行が早い。ついでにいうと当時小学生だったモンハンプレイヤーの中では「悪魔アイルー」なるものが流行っていた。アイルーという可愛らしい容姿のネコ型キャラが狩りを手伝いをしてくれる、「オトモアイルー」というシステムが存在するのだが、チートを使って悪魔みたいにめちゃくちゃに強いアイルーが入手できたのだ。悪魔アイルーはどんなに強力なモンスターでも2発くらいで倒しちゃうくらい強いので、ゲーム進行は爆発的に早くなる。プレイヤーが働かずともバタバタとモンスターの屍の山が築かれる。今思うと何が楽しいのかさっぱり分からないが、当時の小学生の間で流行っていたのだ、悪魔アイルーが。

 

今でも忘れない。小学校での会話。

 

友「君もモンハンやってたよね!どこまで進んだ?」

 

俺「いやまだ全然序盤だよ・・・モンスター倒せなくて・・・」

 

友「えーみんなでいけばいいじゃんwww手伝うよwww」

 

俺「いや俺のPSPじゃなくてPS2だから通信できないんだよね・・・」

 

友「あーそーなのwwwあっ、じゃあ悪魔アイルー使えば???」

 

ヲイ、馬鹿か。お前は。オトモアイルーが貴様の持ってるその2ndGから実装されたシステムだということを知らんのか。俺にはついてくるアイルーなどおらんのだ。アイルーといえば「お客様は神様ニャ~!」とかいうセリフを店に行く度に絶叫するくせに、需要大ありの回復薬をいつまで経っても仕入れようとしないクソッタレ雑貨屋のアイルーしかいない。大体キミはアイルーにモンスターを倒してもらっておいて何故そんなに偉そうなのだ。

 

と、思わずプンプンしちゃいそうになるのを抑えて、家に帰る。今度こそはイャンクックを倒そう。そう決意してPS2を起動する。

 

しかし思い通りにいかないのが世の常である。

 

強いのだ、モンスターが。ボスも雑魚的も。ボスが強いのはまぁいいとしよう。ボスなんだから。雑魚が強いとはいかがなものか。体力が多いのでなかなか死なない。特にブルファンゴ(クソ猪)、コンガ(クソ猿)、ヤオザミ(クソ蟹)あたりが大型モンスターとタッグを組んでしまった日にはもう大変なことになった。何もできずにボコボコにされる。そして回復薬が尽きる。また一からやり直しである。

 

じゃあ武器を強化すればいいではないか。と思うがそう簡単にはいかない。強化に必要な「マカライト鉱石」という素材がもう絶望するくらい集まりにくいのだ。強化に5個必要にも関わらず、3時間かけて2個しか集まらないなんてザラだった。ここはMH2の世界なので素材ツアーなんて便利なクエストは存在しない。気軽に素材だけ集めて帰る、ということができないのだ。つまり何かボスモンスターを倒すついでに素材集めをする必要があった。作業効率が著しく落ちる。

 

そんな中ひとつだけクリア条件が他より簡単なクエストがあった。チュートリアル的な位置づけのクエストで、「特産キノコを5個納品する」という内容のもの。強いモンスターを相手にする必要がなく、その辺で5個キノコを拾って来ればいいだけの話である。しかしここでも問題が生じる。キノコが採れるエリアには前述のクソみたいなイノシシやバカみたいな猿が巣食っており、行く気にならんのだ。PSPのぬるま湯で育った少年たちと違い、こっちは自然の恐ろしさ、不可抗力性を叩きこまれている小学生なので最早このゲームが怖くなってきていた。会いたくない。コワイモンスター、アイタクナイヨ。

 

とはいってもクエストをクリアしないことには、せっかく集めたマカライト鉱石を持ち帰ることが出来ない。しかしキノコがあるエリアにいる怖いモンスターには会いたくない。そこで白羽の矢がたったのがモスというモンスターである。モスは豚型の大人しいモンスターで、倒すと目的のキノコを落としてくれるのだ。という訳で、鉱石集めの傍ら、何千という数のモスを殺めることになった。レアな鉱石を手に入れた悦に歪んだ表情でモスを殺し、血濡れた手でキノコを拾い上げる。狂気の図である。

 

いや待て、そもそも俺はもっとでかいモンスターを狩りたくてこのゲームを買ったんではなかったか。火を噴いたり雷をまとったりするドラゴンと戦いたかったのだ。なんで日夜ツルハシを持って密林に通い、背中に苔が生えたジメついたブタを延々殺しているのだ。アイデンティティがキノコの向こう側へいってしまいそうなのを抑えてゲームをする必要があった。父親がひたすらにか弱いブタを殺戮し続ける息子を心配してか、何度かゲーム中に声をかけてくることがあった。るせー!だったらPSP買ってくれよぉ!俺もみんなと一緒にグラビモスとかクシャルダオラとかかっこいいモンスターと戦いてえよお!オラ!財布だせオラ! 大体スタミナゲージ減るのがはやいんだよこのゲーム!ハンターとかいう稼業で食ってる癖に体力もねえのかこのバカタレ!二度と剣を握るな!あっ、ハンターの癖にモンスターと会おうともしないバカタレは僕でした!ガハハ!せっかく頑張ってモンスター倒しても、報酬品を直接アイテムボックスに送れないってなんだよ!今持ってるアイテムを代わりに捨てなきゃいけないってそんな酷なことがあるか!このアオキノコは次使うんだよ!ここで捨てちゃったらまたブタの血で手が汚れるだろうが!

 

と暴れてゴネたい所だが、父と共謀してゲームを買ったのがバレたときの母のキレっぷりといったらディアブロス亜種も真っ青な怖さだったので、その提案はできなかった。

 

とまあ、昔のモンハンはめんどくさくて難しかった。RDR2みたいな「めんどくさい日常」がウケているゲームもあるので、今後はそういうテイストのが増えていくかもしれない。MH2は時代を先取りしすぎたか。

 

つづき

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