勉強と記憶

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写真は試験期間末期の家の壁。今日は暇だったので、溜め込んでいたフィルムを現像に出してきた。出来上がったネガから発見されたのが上の写真。見るまで覚えていなかったが、剥がす前に「これも思い出のひとつだな」とでも言って撮ったのだろう。主に、覚えられないところを書き出して目につく場所に貼っていた。公務員試験は科目数が多く、とにかくボリューミー。問題の難易度そのものは大学受験の方がよっぽど難しく感じたが、今まで全く勉強したことのない経済、法律の勉強をするのは骨が折れた。前回の記事で「勉強の話はあんまり書かないかも」と書いたが、写真を見て何だか書きたくなってしまった。試験対策記事というよりは、体験記みたいなテイストにする。

 

公務員試験の専門科目では8科目40問を選択して回答する。大体の人は法律と経済で6科目を抑える。ミクロ経済、マクロ経済、憲法、行政法、民法(総則+物権)、民法(債権+家族法)、である。多くの受験生の勉強時間はこの6科目に割かれることだろう。そこに所謂「学系」の科目を2つ加える。政治学、行政学、社会学など。私は経営学と財政学を選んだ。この2つは覚える量が少なく、2月から勉強を始めるという崖っぷちの状況ではそれ以外に選択肢がなかったのである。

 

経営学と財政学のボリュームはさて置いて、経済・法律系の6科目のボリュームは、4ヵ月で頭に叩き込むには流石にきつかった。それぞれ参考書250~300ページにびっしり書いてある量をカバーしなければならなかった。実際に勉強を始める前に簡単に調べた情報では、「公務員試験は6割正答できれば受かる」ということだったので、それならばまぁ何とかなるだろうと思っていた。しかし、私が受験した国家一般職の行政近畿という区分は全国で一番倍率が高く、手堅く合格するには40点中30点は必要ということが、後になって発覚した。誰しも経験があることだと思うが、80点取ろうと思って勉強しても、大概80点は取れない。精々70点そこそこだろう。落ちれば正真正銘ただの無職になってしまう身としては、40点中の30点後半、ほぼ満点を取る覚悟で勉強する必要があった。

 

一番の敵は忘却だった。高校生の頃は、英単語や社会系科目などの記憶力がモノを言う部分で苦労したことはなかった。憶えればそれで済むので楽だったし、好きだった。ところが長い間勉強から離れていたせいか、何度目を通しても、ルーズリーフに何度書いても、一向に憶えられんのである。これには参った。完全に脳が退化していると感じた。憶えられなさ過ぎて逆に記憶に残ったのが、民法の「留置権の行使は債権の消滅時効を妨げない」ということ。これが全く憶えられず、10回以上同じ問題を間違えた。一番ストレスが溜まっていた時期だったので、癇癪を起こして参考書の該当箇所を引き裂いたほどだった。

 

勉強の合間に『ゴジラSP』が放送されていたので、週に一度の楽しみにしていた。劇中に「オーソゴナルなんたらかんたら」という単語が出てくるのだが、これが何度聞いても覚えられないし、未だに覚えていない。このときにふと、「子供の頃は漫画にでてくる必殺技の名前とかよく憶えてたなあ」と思った。『BLEACH』が好きだったのだが、キャラクターの名前も斬魄刀の名前もよく憶えていた。ところが、大人になってから触れた作品というのは、そういう細かいことを憶えていないことに気が付いた。ゴジラもそうだが、鬼滅の刃もそうだ。話自体はそこそこ面白かったが、呼吸の数字だとか技の名前はほぼ憶えていない。水の呼吸の水車と凪、炎の呼吸の不知火しか憶えていない。数字は全部忘れた。

 

そんな考え事を経て、記憶についてネットサーフィンをしていると、大人になっても記憶できる容量が減るわけではなく、記憶する方法が変わるのだということを知った。ざっくり言うと、子供は単純な記憶が得意だが、大人は理論づけたり、何かと結び付けたりして記憶をしていくということだった。

 

試験当日まで日がないので、とりあえず詰め込む勉強をしていたが、上記の話を知った後は、勉強法を変えた。がむしゃらに問題を解くのを止め、参考書を変えた。もっと平易な言葉で、そもそも何故この法律があるのかということを例え話とともに書いてあるような参考書に切り替えた。この時点で試験3週間前だった。

 

これが上手くハマり、法律科目への理解度が格段に上がった。無茶に詰め込んだものの、脳内でバラバラになり上手く引き出せなかった記憶が、整然と並べられていく感覚で、爽快だった。最終的に、本番では法律科目20点中18点だった。

 

経済学はというと、要所は抑えたし、試験傾向からある程度出題される範囲が絞りこまれているので、そこを重点的に対策した。しかし、今年の経済学は鬼のような難易度で、うんこみたいな点数しか取れなかった。のみならず、焦った私は8科目以上を選択し(8科目を超えて解答した分は採点対象にならない)、点数を無駄にフイにするという珍プレーまで犯した。

 

そんな状況でも合格できたのは、法律科目得点アップの足掛かりとなった「オーソゴナルなんたらかんたら」のお陰のような気がする。

 

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