DONZOKO

辺境

文具小噺

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※文具の話のはずなんですがシンエヴァのネタバレを含むのでご注意ください。

 

私は中学生の頃から文房具が好きだ。大学生になってからはロクに勉強もせず、日がな部屋に籠りFIFAばかりやって、バイト代を全て革靴につぎ込むような愚か極まりない生活を送っていたので、文房具に触れる機会は少なくなっていた。4回生のときに万年筆を買ったくらいだ。勉強しなかったということに関しては非常に後悔している。そもそも経営学に興味が無かった。都市社会学を学べばよかった。後悔しても仕方がないし、何かを始めるのに遅いということはないので、シカゴ学派の本でも読み漁ろうかと思ってる。

 

話しが逸れたが文具の話だ。思考を放棄してつるつるの脳みそになった私は、後先考えずに入社を決めた会社を見事に退職し、次の職を得るために試験勉強を開始することになった。受験生さながらの生活を送る中で、中高生時代が想起された。学校が終わってから、自転車で20分くらいの文具店によく買い物に行っていた。シャーペンに固執していた。

 

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中学生の時に好きだったのがカラーフライト。ヨーロッパ雑貨的なカラーイメージでお洒落である。安いし書きやすい。クリップのデフォルト位置が気に食わず、いつも逆側に回していた。白とライムグリーンと青を持っていて、よく使いまわしていた。制服のある学校にいくとなると、服装に自由はきかないし、カバンなんかも指定だったりするので、筆箱とか文房具なんかが数少ない自己表現のアイテムだったりする。そして、自己表現を文房具に投影するような奴は、大体モテない。私がそう。女子にモテたい男子中学生諸君は、まずは目の前の女の子に話しかけてみような。

 

男子中学生に与えられた道は二つだ。一つはスポーツで実績を積み、スクールカーストを駆け上がったうえで女子にアピールし恋人を得るか、もう一つはやたら文房具に凝り、そこにお洒落の幻影を見出し、他人からは見えない自意識の鎧を纏うか。私の文房具モテモテ大作戦は、後者を選んだ非モテ童貞によるリア充への儚いレジスタンスだが、実行する価値のあるものだった。

 

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もっとゲンドウみたいにカッコいいシチュエーションでこのセリフを使ってみたかった。人類補完計画も私の人生においては”文房具モテモテ大作戦”である。「リア充」とか8年ぶりくらいに使った気がする。今は別の言い表し方があるのだろうか。そういえばこないだ「リア充爆発しろ!」と現実で絶叫していた人を見かけた。うすら寒かった。

ユイ!どこだぁ!ユイ!

皆さまはシンエヴァをご覧になられましたでしょうか。緊急事態宣言で映画館が閉まっている地域もありますが、とても良い作品なので是非ご覧になってください。

 

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これも流行ってたな。ピンクとかクリアブルーとかカラバリが豊富。持ち手のところにラバー素材のリングがはめてあるのだが、違う色で複数買いをして、ラバー部分を取り換えてカラフルにする、というレジスタンスの形をとっている者もいた。男子中学生には「あえてピンクを選ぶ俺、お洒落」という時期が誰しも訪れると思うんだけど、お洒落なのはピンク色そのものであって、のみならず「ピンク色が似合う男」も確かにお洒落だが、お前は別にお洒落じゃない、という状態になることが多い。分かりやすく言うとガラでもないピンク小物を持った男が度々出現する。私も御多分に漏れず、テクトツーウェイのピンク色を所持していた。当時通っていた塾にめちゃくちゃ可愛い子がいて、その子のことが好きだった。その子が私のピンク色シャーペンを見るなり、おもむろに手にとり、「使いやすい!」と言って、自らの所有物にしてしまったのだった。私はこれはお近づきになるチャンスと言わんばかりに、事あるごとにその子に近付き、「チョッ、オイ、アレカエセヨ」と鼻の下を伸ばしながら抗議していたのであるが、実際返されてしまうと話しかける口実がなくなってしまうので、本気では取りには行かなかった。傍から見れば、所有物を強奪されて嬉しそうにしている、滑稽そのものである訳なのだが、そうと気付かせないだけの魔力が思春期にはあった。ちなみにその子は、俺より後に塾に入ったバスケット男と付き合い始めた。「えぇ~、どうしてぇ~?」と、当時は言っていたと思う。

 

何の話だっけ。文具でしたね。ここまでが中学生のエピソード。高校生になってからは、文房具にお洒落を求めるのは卒業して、使いやすさとかカッコよさを求めるようになったと思う。

 

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この辺をよく使っていた。925 25/35もグラフ1000フォープロも名品とされているだけあって非常に使いやすかった。どちらも今でも使っている。高校生になってからは、自分なりの生き方を見つけたというか、内向的な側面が強調されたので、中学生のときのように女子の一挙手一投足にはしゃいだりすることは無くなって、人畜無害の白滝みたいな存在になっていた。故にヘンテコエピソードはあまりない。

 

大学受験真っ盛りのときに、親父からモンブランの万年筆を貰った。細身で手帳用っぽい簡易的なもので、マイスターシュテックのようにゴツくて数万円するようなものではなかったが、使いやすくて、よく使っていた。主に社会系の暗記モノを勉強するときにつかっていた。とても気に入っていたのだが、身内に癲狂病みがおり、そいつに「これは私が先に貰ったものなので返せ」と迫られ、これまた強奪されてしまった。相手が相手なので「オイカエセヨ~」みたいな甘酸っぱい展開が起こるわけもなく、「やべえのがいたもんだな」と災害が過ぎ去るのを大人しく見てた。

 

万年筆の書き心地が好きだったので、しょうがなしに100円くらいの格安万年筆で日本史と政経倫理を乗り越え、無事大学に合格し、ぼくはまつやのぎゅうめしと、まいにちのふぃふぁによりのうみそがつるつるになりました。めでたしめでたし。

 

何だろう、「私はこの文房具をこう使ってこんな創造性のある活動をしています」みたいな、一種の崇高さが感じられる記事はいつまで経っても書けない。

 

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今日の一曲。エヴァネタぶっこんだので。これを映画館の音響で聞くと幸せになれる。流石の仕事。3:05からのピアノが好きです。